限定承認のデメリットとは - 意外と知られていない 相続放棄と限定承認

意外と知られていない 相続放棄と限定承認 > 限定承認のデメリットとは

限定承認のデメリットとは

借金などの負の遺産があるとき、限定承認を使えば特定の資産だけを手元に残しつつ、大半の負債は放棄できます。
おいしいところだけを取れるような方法ですが、これにもデメリットはあります。
これらも確認した上で、限定承認を検討するといいでしょう。

限定承認の大きなデメリットは、手続きがやや複雑な点です。
これは負債を含めて遺産をすべて放棄する手続きに比べると、よくわかります。
相続を放棄する場合、家裁で手続きをするだけですが、特別に手間になるようなことはありません。
また、この手続きなら相続人同士で意見を統一する必要はありません。
負の遺産があるとき、そのことは全相続人に連絡した方がいいですが、それを了解した上で引き継ぎたい相続人がいれば、その方だけ単純承認するのもOKなんです。
もちろん特定の相続人だけでなく、複数の相続人が放棄、残りの全員が相続といった形もOKで、とにかく相続人全員の意思統一は不要なんですね。

コレが限定承認の場合、少なくとも誰かが限定承認することを、相続人全員が同意しないといけません。
相続人の誰か一人でも限定承認に反対すると、手続きができなくなります。
遺産の相続人は血縁関係を元に自動で決まるため、相続人同士の考え方や意見がスムーズにまとまるとは限りません。
そのため、相続人全員の同意が必要になると、手続きがかなり難しくなります。
これが限定承認の大きなデメリットです。

これ以外のデメリットとして、譲渡所得税もありますね。
限定承認をすると、故人が相続人に対して、遺産を譲渡したとみなされます。
そのため、譲渡した遺産の時価に応じて、譲渡所得税が課せられる場合があるんです。
この所得税は、引き継げるプラスの資産が大きいほど、重くなる傾向があります。
負債より資産の方が大きく、普通に単純承認でも問題ない場合に限定承認をすると、この所得税の分だけ損をすることもありますね。
資産と負債のどちらが大きいかわからないとき、とりあえずの保険として限定承認をする方法もありますが、結果的に負の遺産がほとんどなかった場合、この所得税で損をすることも多いです。

限定承認には以上のようなデメリットがあります。